現在の状況について
現在の状況を教えてください
この3月に大学を卒業し、4月から Y.S.C.C. 横浜フットサルに入団することが決まりました。同時に静岡銀行の職員としても働く予定です。※取材2022年3月時点
4月から両立されるということでしょうか?
はい。企業で働きながらフットサル選手としても活動する予定です。大学入学のころから将来のキャリア選択として、サッカー選手だけでとは考えていませんでした。社会人としてサッカー以外のキャリアを積んで、長い人生の基盤を整えたいなって気持ちがありました。また、地元静岡県への恩返しじゃないですけれど、自分が生まれ育った静岡へ何かの形で貢献できないかといった考えもあり選択しました。
Y.S.C.C.横浜フットサルへ進むきっかけは?
大学3年の1月頃ですかね。Y.S.C.C.横浜フットサルのチーム関係者の方から自分のサッカーのプレーを観て声をかけていただきました。フットサルチームになりますがスカウティング対象にマッチしたようで。最初はなぜ声をかけていただいたのかわかりませんでした。フットサルのイメージは“技巧派“でしたが、自分のプレースタイルはどちらかというとフィジカルを活かしたプレースタイルだったのでなんでかなって。ただ、フットサルに少し興味もあったので練習参加のお誘いをいただき、1週間程度練習に参加したのがきっかけです。強度の高いチームスタイルを構築する中、自分に声をかけていただけたようです。

サッカーキャリアやサッカー観について
サッカーキャリアを教えていただけますか?
父親がサッカーをやっていたのと、地元が静岡県ということもありサッカーが盛んな街だったので幼稚園の頃からサッカーを始めました。中学年代は清水エスパルスのジュニアユースに進み、高校年代では高体連を選択し清水桜が丘高校に進学しました。

ー 高校卒業後、日本大学へ進学されたんですね?
高校3年生時にはプロからオファーをもらえるレベルではなかったのですが、大学に進学し4年間でレベルアップしたいなと考えていました。ハイレベルな関東の大学に絞っていたのと教職にも少し興味があったので、サッカーだけでなく学部の情報も調べ、日本大学に進学しました。

ー これまでのサッカーを通して一番の思い出はありますか?
高校の恩師と出会えたことですかね。口すっぱく言われていた言葉は忘れられません。入学してすぐから、ことあるごとに「サッカーだけやっていればいいんじゃない」って言われていました。これまで所属したチームでは中心でプレーしてきたこともあり、少し天狗になっていたところがあったかもしれません。またサッカーをやるために進学した高校でもあったので、最初は何言ってんだよくらいに思っていました。笑
あまりにも繰り返し言うので徐々にではありますが、嫌でもその意味を考えるようになっていきました。
ー その時の言葉が現在の礎になっているんですね。
はい。その教えが心の根幹にあったのでデュアルキャリアを選択したところもあります。高校の3年間で何度も何度もいわれたので、自然と言葉の意味を考えるようになり、いつしか自分なりに解釈するようになっていきました。
サッカーだけじゃなく、生活全般でもいえますが、コツコツやる大切さ、素直さ、他人を思いやる気持ち、責任を持つこと、あげるときりがないですが、少しでも意識しながら物事に取り込むことで何かをつかめた気がしていました。
先生の話し方がうまかったってこともありました。本当に感謝しています。今ではあの出会いで自分が変われたなって思っています。時には練習の大半が話のときもありました。笑
ー 具体的に言うと?
「一人の人間としてしっかりと責任を持つ」ことですかね。例えば採用試験の面接時にも、面接官の方へ自分の言葉に責任を持ち、しっかりと思いを伝える、誠実に話すことは心がけていました。うまく話せなくてもいいので。評価いただけるかはその後になりますが、そうすることで話し相手との意思疎通を深めることができたのではないかなって考えています。

いつ頃フットサルプレーヤーへの転向を決めたんですか?
フットサルでいこうときめたのは大学4年生の12月頃ですかね。Jリーグではありませんが、いくつかサッカーチームからもオファーをいただいていました。ですがFリーグという日本のトップリーグへの新たなチャレンジも面白いかなって。
フットサルをやっていく中で、自分のプレースタイルにもマッチしているかなって思ってきましたし、練習や映像なんかをみているとどんどんフットサルの魅力にはまっていったことも理由のひとつです。
ー 現在の目標はありますか?
まずY.S.C.C.横浜フットサルのセカンドチームに所属するんですが、1年目はフットサルの基本を身に着けて試合に出場することを目標としています。目の前の目標からひとつずつ積み上げていけたらと考えています。その先は実力を上げ、チームで結果を出し、日本代表レベルまで自身を引き上げられたら嬉しいですね。
デュアルキャリアに至った経緯を教えてください
ー 就職活動は行っていたんですが?
はい。大学3年生の冬頃にはサッカーでの進路を模索しながらも一般企業への就職活動を始めるため情報収集を行っていました。デュアルキャリアを考えていたこともあり色々調べているとマイナビアスリートキャリアというサービスを知りました。実際にコンタクトし、サービスを利用することにしました。
ー 利用していかがでしたか?
担当してくれたキャリアアドバイザーの方が本当に親身に接してくれました。自分との向き合い方や採用試験に向けたレジュメの書き方、面接対策などなど。ここで得た知見は就職活動だけではなく人生全般に活かせると思います。実際に何社か企業も紹介いただき、内定もいただきました。また、デュアルキャリア開始後のための情報提供も行っていて、先日もお金のセミナーを開催していましたので参加してきました。

– 味岡さんの第一印象について
素直で謙虚で真面目で元気!本当に好青年だな~という印象で、やり取りしていて気持ちのいい方だなと思いました。最初の課題は「相手が理解出来るように伝える事」でした。味岡君の中で「これを伝えたい!」という思いはあるが、内容がまとまっておらず、少し話が長くなったり、謙虚さゆえに話したい内容を上手く伝えられていない部分がありました。
– どういうサポートをしていましたか?
週1~2回WEBにて徹底的なサポートを行いました。お話しの構成を統一したり、キャッチボールを意識したコミュニケーションが出来るよう対応しました。具体的には質問に対して結論からお話しする事( PREP 法)と1回の回答で全部お話ししないという事です。特に後者は面接だと重要になってくると思うので、全部話したい気持ちをグッと堪え端的にお話しし、それに対して質問が来るという感覚を持ってもらうよう、繰り返し練習しました。
味岡君は私が話した内容を必ずメモに取り、次回の面談までに修正する努力をしてくれたので、「なんとか合格させたい ……!」という想いに自然となっていったのを覚えています。期間にすると約 4 か月間サポートしましたが、本当にあっという間でした。
– サポートを通して感じたことはありますか?
味岡君のこれまでのサッカー経験を振り返ると、厳しい環境で結果を出すために周りからいい影響を受け、自らの考え方をブラッシュアップし、様々な努力を積み重ねてきたと思います。その経験をビジネスの世界でどう再現するかという考え方が出来るようになっていったなと感じています。
– 味岡さんへのメッセージ
デュアルキャリアの代表格となるよう期待しています。競技でも仕事でもぜひ結果を出していってもらえたらと思います。これまでも進路を選ぶときに険しい道をあえて選び、成功を収めてきた方なのでやってくれると思います。
ー 参加された理由は?
スポーツ選手をやっていくうえで、高い報酬を得られる人はほんの一握りだと思います。そんな背景もありアスリートこそお金の知識は重要になってくると考えていました。春から金融企業に進むこともあり多くの情報をインプットしたく勉強も兼ねて参加しました。
競技を続けていくのにも、地元への恩返しをするにもお金の知識が生きてくる場面は少なからずあると思いますので。
ー 静岡の企業に決めた理由はありますか?
はい。生まれ育った地元静岡に何か恩返しできたらなって上京する前から心に決めていました。具体的にはまだ考えられていませんが、地元企業に就職ことでできることがあるんじゃないかなって思いもあり決めました。
ー フットサル選手としての活動は企業へ伝えていたんですか?
卒業後はフットサルチームに所属することを伝え就職活動を行っていました。そんな中、静岡銀行のスポーツ&アート採用の取り組みを知り、チャレンジし採用いただきました。他の社員の方と同様に勤務を行うのですが、アウェー試合などで前日移動などがあれば調整いただけたりとアスリートとしての活動をバックアップをしてくれます。とてもありがたいです。社員としても早く一人前になって、貢献できるよう頑張りたいです。
ー 不安はありますか?
まだ始まっていないので実際の大変さはわかりませんが、今は楽しみの方が大きいですね。
よりよいセカンドキャリア準備のために
現在サッカーを頑張っている方々へアドバイスをお願いします
「自分に責任を持つ」やっぱりこの一言につきると思います。人によって責任の持ち方は様々だと思いますが、自分なりの考え方でいいので意識できれば何事にも良い影響を及ぼすと考えています。あとは目の前にサッカーができる機会があるなら全力でやってほしいですね。特に学生スポーツはその時の仲間や同世代との切磋琢磨など二度と経験できませんから。
もうひとつ言うとすれば情報収集ですね。自分は何事も計画的に進めていきたい性格なんですが、デュアルキャリアを実現させるためのチャンスを得る方法や、そのチャンスをモノにするために準備すべきことなど全くわかっていませんでした。そんな中、自分なりに調べていくと実現のためにまず何をすべきかを支援してくれるサービスがあることを知りとても助けられました。
自分がやりたいこと、少しでも興味があることがあればそれに対し情報収集を行うなど行動を起こすことが大切だと思います。
味岡 元輝(あじおか げんき)1999年生まれ
出身:静岡県、ポジション:DF
サッカー歴:清水エスパルス Jr. ユース⇒清水桜が丘高校⇒日本大学⇒Y.S.C.C.横浜フットサル
現職:フットサル選手・静岡銀行職員