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「サッカー選手を超える目標がみつからない。いまは焦らずに多くの経験を」ゆっくり丁寧に将来を見据える成田に迫る

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プロフィール

成田悠馬(なりたゆうま)1995年生まれ
出身地:岐阜県、ポジション:MF
サッカー歴:FC岐阜U18 ⇒ 東海学園大学 ⇒ FC岐阜セカンド ⇒ 韓国(抱川FC)練習生 ⇒ FC岐阜セカンド
現職:スポーツイベント(NPO団体)、NowEXプレイヤーetc

現在の状況について

今はどんなお仕事をされているんですか?

意識的に様々な取り組みをするように心がけています。サッカーのコーチや監督、スポーツイベントなどを行うNPO団体、また大阪のフットサルチームに所属することが決まりプレーヤーとしても活動しています。その中でも現在、力を入れているのがNowEXプレイヤー(サッカー指導)です。本田圭佑さんが代表を務めるNowDo株式会社のスポーツ事業「NowEX」に携わり、EXプレーヤーとして活動しています。好きな時間に、好きな場所で、スポーツコミュニケーションを通じてお子様の成長をサポートするオンラインマッチングサービスです。サッカースクール版ウーバーイーツを想像いただけると分かりやすいですかね。「空き時間に家の近所でサッカーを習いたい」、「気軽に本格的な指導を受けたい」など様々なニーズにお応えできるので使い勝手がいいと好評いただいています。
関西エリアはまだまだ始まったばかりなので、これから多くの方に知ってもらいたいです。現在は大阪を拠点に様々な取り組みを通し、普及活動を行ったり積極的に指導も行っていこうと計画中です。また、競技者経験の豊富な指導者と子供たちをつなげるサービスになりますので、アスリートが引退後に活躍できる場として有意義な事業だと考えています。

どういった経緯でNowEXに登録することになったのですか?

現役引退後すぐに人材業界に勤めました。どういった業界に進もうかなって考えていましたが、長い人生において職業選択の大切さを感じていたこともあり人材業界の企業に入りました。学生の頃からサッカー指導を行っていたので指導者ライセンスも取得していました。指導者などサッカーに関わったお仕事は今でも興味はありますが、まずはサッカー以外の世界にも触れたいなって考えていたのもあってです。

 ー NowEXとの出会いは?
やりがいはあったのですが、やっぱりサッカーに関わった仕事が出来たらなって心のどこかで考えていました。ある日、本田圭佑さんのYoutubeを観ていたのですが、その動画の中で現職のサービス「NowEX」をどういった考えや想いから始めるのかを話されていました。「これだ」って思いました。とてもいいサービスだなって。指導を希望する子供たち、指導する側の元サッカー選手引退後の活躍の場の提供と自分がこれまで経験したことや、課題と感じていたことを改善するサービスだなって。サービスの普及に貢献したいって強く思いました。

 ー その後、どうされたんですか?
失礼とは思いながら、自分の気持ちを抑えきれずNowEXに問い合わせしました。ぜひこのサービスの普及に情熱を注ぎたいって。そう伝えるとありがたいことにスタッフの方から一度話す場を設けていただきました。自分の思いを改めて伝え、賛同いただきサービスに携われることになりました。

NowEXプレーヤーとしてのやりがいはどんなところですか?

やっぱり「サッカーを習いたいけど地域にチームがない」や「本格的に始める前に少し習ってみたい」、「本格的な指導を受けてみたい」など子供たちのニーズは様々なんですね。そういった多様なニーズに応えられて、笑顔になる子供たちをみたり、その親御さんに感謝いただけたり。子供たちの将来に何かきっかけを提供できたと思うとすごくやりがいを感じます。

サッカーキャリアやサッカー感について

サッカーキャリアを教えていただけますか?

地元の岐阜県で4歳からサッカーを始めました。ユース年代ではFC岐阜のU18に進み、高校3年生のタイミングではトップチーム昇格が難しかったため東海学園大学に進学しました。その後、FC岐阜セカンドに入団しました。韓国のプロチームに練習参加なども経験しました。

 ー 25歳での引退ということで、まだサッカーをやれると思いませんでしたか?
はい。少し考えましたがそれほど甘い世界ではないので。
これまでのサッカー人生の中で進路に困ったことがありませんでした。自分の希望通り進んできたわけでは無いのですが、ユース、大学、その後も何らかの選択肢を頂いてきました。テストに受かったり、オファーを頂いたり。それが25歳の時、初めて八方塞がりになったんですよね。今思うとその状況を打開できなかったことが引退の1番の理由だと思います。そんな状況も跳ね返すくらいの気力をもって次のチームを手繰り寄せることができなくって。
海外も含め複数チームに入団テストを受けに行きましたが、なかなか決まらなくて。そんな中、古巣の岐阜に再度プレーする機会を頂きましたが、そのシーズンもなかなかチームに貢献することが出来なくて。
翌シーズンもプレーできる可能性もありましたが、サッカー選手として25歳までに自分が思うレベルに達していなかったら引退しようって決めていたこともありました。その年齢でビジネスの世界を知らないのも今後の自分が考える人生設計においてリスクだなとも考え引退を決意しました。純粋にサッカーが大好きなのでかなり迷いましたが。

 ー ビジネスの世界にもともと興味があったんですか?
父親が自分で商売をやっていたってこともあり、自分もビジネスの世界に早めに飛び込みたいとは心のどこかで考えていました。

 ー 年齢的にもう一度サッカー選手に戻ることは考えましたか?
はい。プロ選手にもう一度チャレンジとではないですが、プレーは今でもやりたいですね。先日、大阪府内のフットサルチームに加入することが決まりました。まだ体が動くので内からエネルギーが出るうちはアスリートとしても活動することで、ビジネスにもいい影響がでればと考えています。

よりよいセカンドキャリア準備のために

サッカーで身につけたことはありますか?

ひとつと言われると難しいですね。沢山ありますから。サッカーで人間形成してきたことは間違いないですから。特に継続力、問題発見力、改善力などは身に付いたなって感じています。ビジネス的に言うとPDCAって言うんですかね。アスリートとしてやってきた方は自然に当たり前のようにやってきた事だと思います。スポーツという世界からビジネスに舞台が変わっただけ、ユニフォームがスーツに変わっただけですからね。
「サッカーしかやってきてないから不安」とか「サッカー以外に熱中できるものがみつからない」と現役中からそんな気持ちになっているアスリートが沢山いると思います。ただ今思うと、引退後に何をしようって思考になるってことは、目の前のサッカーに没頭できていないと思うんですよね。本当に没頭できていればそういった心配は一切なくて、どうやったら試合に出れるんだろう、日本代表になれるんだろうってことのみ考えると思いますから。
将来の事は過剰に心配することはないと思います。現役中は目の前のことに全力で取り組みながら様々な気付きや、きっかけで必ず次への広がりが出てくると感じています。

将来のキャリアパスはありますか?

「これ」っていうのがまだ無いんですよね。あるんですが、沢山ありすぎてひとつに絞れない状態です。現役の時はプロサッカー選手になるという明確な一つの目標にむかってパズルを埋めていくイメージでした。ですが、今は何が完成するかわからない未来に向け、レゴブロックを組み立てている感覚です。そのために広く、様々な経験が積めるよう取り組んでいる最中です。自分の未来と可能性に期待しながら探している状況ですね。
正直なところ現役引退から3年経ちますが、すごく大きかったサッカー選手を超えてくる目標ってまだ見つかってないんです。
決して悪いことではなく、自分の可能性を信じ、行動することで何かを掴めるんじゃないかなって。実際に今もこれまで想像すらしてなかった本田圭佑さんの新規事業に携われているわけですから。

現在サッカーを頑張っている方々へアドバイスをお願いします

自分だから言えることでもありますが、世の中にトップではないプロサッカー選手やプロを目指せるレベルにある選手はたくさんいると思います。あえてそんな方たちへ向けたメッセージを送ると、サッカー選手である前に、一人の人間として経験値を上げておくことをお勧めしたいです。
どうしてもサッカー選手同士やサッカー関係者との世界の中で生活すると、世界が広がらないってことがあると思います。近くの人達を大切にするってことはとてもいいことですが、些細なことでいいので違った意識や関わりをもつだけでも違ってくると思います。そういった出会いやそこから生まれた新たな視点などは循環してサッカーにも転換できる部分がありますから。まずは自分からアクションを起こし、普段とは違ったコミュニティとのつながりを積極的に持っていってください。