現在の状況について
今はどんなお仕事をされているんですか?
現在は2社の代表として活動しています。1社はアパレルをメインに、もう1社は食事・栄養関連がメインとなっています。両社とも全く別というよりは連携しながら事業を行っている感じです。
それぞれ広島と東京に拠点がありますが、スタッフと連携して両社のバランスをみながら進めています。食事に関する事業ではアスリートの栄養管理などのサポートを行っています。また栄養面・食事だけのサポートではなく、例えば資格取得などトータルに支援することも視野に入れています。
”食事”だけではない支援をされるんですね?
単純に食事を提供するわけではなく、個人それぞれに合わせた最適な選択をするため、より効率のいい体づくりだったり、トレーニングだったり、そういう部分には注力しています。
どういった方を対象にされていますか?
トップアスリートやジュニアアスリートはもちろんですが、女性向けアンチエイジング、ダイエットなどボディメイクなど多岐に渡ります。幅広く必要とされる方にはご提案を行なっています。

現職までの経緯
現役の頃から食事に関する発信を行っていました。その流れからエプロン販売や、全国を対象に料理教室などを開催していました。料理教室に関しては現在は別事業に注力していますので、落ち着いたらまた再開できればと考えています。
少しずつ活動の幅を広げられたのでしょうか?
はい。食事に関する発信をしながら、徐々に活動の幅を広げていったイメージですね。やっぱり認知が増えれば増えるほど、さらに必要な要素が分かってきます。例えば食事に関する発信を始めると、認知を拡大するために、SNSマーケティングの知識が必要になってきたり。様々な事を学べます。
会社設立にあたっても経営について学ぶ必要がありますし。スタッフを雇用するやお金の流れってどうなっているか?どういう仕事をしなければいけないか?など。すべての流れの中で、どんどん必要なアクションを取っていくうちに、やれることも増えましたし、現在行っていることは全てその延長線上ですね。
現職のやりがいは?
サッカー選手時代もそうでしたが、現在も勝負の世界で生きている感覚です。自分の力もそうですし、もちろん周りの力を借りながらですが。それによって様々な効果が生まれるなって。非常にサッカーの構造と似ています。
サッカー選手時代も自分次第なところが多くありましたが、現在は選手時代よりも責任を感じるところがあります。スタッフを雇う責任などは非常に重要ですので。
そういったところが難しくもあり、やりがいになっていますね。そこを乗り越えなきゃいけない、向き合わなきゃいけないって感覚です。手探り状態ですがやれることはやっていきたいですね。
サッカー界とは違った世界はいかがでしょうか?
人それぞれ熱中できるものがあって、そこに気持ちを向けられればアスリートは力を発揮できると思います。たとえそれがパチンコや競馬などでも物事を極めることで発信する情報に価値が出てくるかなって。何事も好きで、突き詰めることができれば仕事になるんじゃないかなと考えています。

現在の活動をスタートするにあたり
本腰を据えて発信を始めようと考えた際に環境作りが大事だと考えました。まずは自宅をDIYしました。SNS上で発信するにしてもビジュアルって重要な要素の一つなので。もう一つは自分のモチベーション維持の目的もあります。フォーマット作りじゃないですけど、環境を整えるってやっぱり重要だなって。現在も環境作りについては意識してます。
食に関する発信を始めたきっかけはありましたか?
純粋に自分の体を良くしたいというところが始まりでした。コロナ過であまり外食に行けない時期があって、その時に自分の体と真剣に向き合って栄養管理したらどうなるのかなって。
やってみるとすごくコンディションが良くなりました。そしてこの情報って誰かのタメになるんじゃないかなって思いました。
両立は難しくありませんでしたか?
情報を発信することの重要さはずっと考えていました。プロサッカー選手という状況の中、サッカー以外の発信をしていくことを良くない事と感じる方も出てくるんじゃないかって懸念はありました。周りの目を気にせず進めていくことは簡単そうで難しい。そのためにはある程度の覚悟が必要だし、何か言われても動じない心構えも必要になってきます。「もっとサッカーだけに集中しなよ」みたいに考える方もいらっしゃると思いますので。プロサッカー選手としてやっていく上で、もしかしたら不利に働く可能性もありますから。

引退までの経緯
現役選手としてサッカーを続けるとか、サッカーの指導者になる選択肢もありました。ですがこれまでと違った分野で勝負したいって気持ちがありました。違った世界からサッカー界を変えていきたい、違う角度からサッカーを見てみたいって。例えば起業してスポンサーになるなどサッカー界との関わり方は色々あると思いますので。
起業するんだって決めていたわけでは無いんですが、自分のやりたいこと、発信したいことを考えていくと起業に至りました。
引退して現職に注力することを選択されたんですね?
もちろんサッカーは好きですから現役を続ける選択肢もありました。また、サッカーの現役選手だからこその効果ってあると思いますので。例えば、プロサッカー選手が食事に関する情報を発信すると興味を持ってくれる方も多いのかなって。現役を続けながら活動を行っていくことも考えましたが、やっぱり中途半端にやりたくなっていうのもありましたし、簡単ではありませんので。
これまで人生の全てをサッカーに捧げてきましたが、逆にサッカー選手という肩書がなくなった自分がどれだけの人間になれるかっていうのを試したかった気持ちもありました。
よりよいセカンドキャリア準備のために
サッカーを通して得た経験はどんなところですか?
やりきる力、コミットする力ですね。プロサッカー選手になるため、プロの世界で活躍するために毎日トレーニングしてきました。地道なトレーニングや、より細かい部分にこだわって継続してきましたので。
プロ選手になる為に本当に地味なこととか、結果が出ない中でもやり続けることは重要なことで、恐らくサッカー選手は誰でも通ってきている道だと思います。
社会に出た際に違う分野でも、その基礎の部分って変わりませんので。違った世界でスムーズに転用できるか個人差はありますが、その素養は必ずあると考えています。
今後の目標はありますか?
まずは食の重要性を皆さんに知って欲しいですね。アスリートを中心に身体的強化を支援したいなって。そのためにはやっぱり食事が重要だと考えています。
ただこのアプローチって1日じゃ変化が実感できないので重要視されない印象もあります。自分が発信し続けることでアスリート関係者に食が重要なんだよっていうところを伝えていきたいなって。
また、食の世界で自分の認知が上がることで新たにサッカーに興味を持ってくれる方も増えると信じています。だから今以上に情報を発信し続けていければと思います。
現在サッカーを頑張っている方々へアドバイスをお願いします
「プロサッカー選手になる」や「プロの世界で活躍する」ために努力する力や物事を突き詰める過程で多くの事を学び・身に着けています。その基礎があればサッカー以外の世界でも皆さん独自の価値を発揮できると僕は信じています。なので目の前の事を追求し、全力を尽くしてもらえればと思います。

小泉 勇人(こいずみ ゆうと)1995年生まれ
出身地:茨城県、ポジション:GK
サッカー歴:鹿島アントラーズJY⇒鹿島アントラーズY⇒
鹿島アントラーズ⇒水戸ホーリーホック⇒グルージャ盛岡⇒ザスパクサツ群馬⇒ヴァンフォーレ甲府
現職:起業家